名古屋中学校2025年算数第1問(4)
- 速さ 旅人算 円周上の点の移動
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下の図のように、大小2つの円があります。大きい円は、点Oを中心として点Aを通ります。小さい円は、AとOを結ぶ線が直径となっています。
2点P、Qが点Aを同時に出発して、それぞれ円周上を一定の速さで反時計回りに動きます。Pは大きい円周上を63秒かけて1周します。Qは小さい円周上を28秒かけて1周します。
①Qが小さい円周上をちょうど2周したとき、3点A、O、Pを頂点とする三角形の、頂点Oにあたる角度は何度ですか。
②3点A、P、Qが初めて一直線上に並ぶのは、点Aを出発してから何秒後ですか。ただし、3点A、P、Qがすべて異なるところにある場合のみを考えることにします。
①
Qが小さい円周上をちょうど2周したとき、つまり28×2=56秒経ったとき、Pは大きい円周上を
56/63 ←速さ一定⇒距離の比=時間の比
=8/9周
している(1周まであと1/9周のところに来ている)から、求める角度は
360×1/9
=40度
となります。
②
2点P、Qと同時に出発して大きい円周上を28秒かけて1周する点Rを考えます。
3点A、Q、Rは常に一直線上にあります。
3点A、P、Qが初めて一直線上に並ぶのは、出発後初めてRが点Pと同じ地点に来るときとなります。 ←シャドーとか影武者とか呼ばれる考え方です。
大きい円周を[7×9×4]とすると、2点P、Rの速さはそれぞれ毎秒[7×9×4]/63=[4]、[7×9×4]/28=[9]となります。
したがって、3点A、P、Qが初めて一直線上に並ぶのは、点Aを出発してから
[7×9×4]/([9]-[4]) ←旅人算の追いつきですね。
=252/5秒後
となります。
(別解)
QがPより速いから、Qの1周目に条件を満たすことはありませんね。
また、①の答えから、Qが2周し終わるまでに条件を満たすことが容易に読み取れますね。
Qが2周目に入った後で条件を満たす図を適当にかくと下のようになります。
時間の比 P:Q=63:28=9:4
↓逆比←「距離」一定(360度(角速度で考えます))
速さの比 P:Q=4:9
↓時間一定(出発してから条件を満たすまでの時間)
「距離」の比 P:Q=4:9=④:⑨
⑨-④=⑤が360度(1周ですね)に相当するから、Pは④/⑤=4/5周したことになります。
したがって、3点A、P、Qが初めて一直線上に並ぶのは、点Aを出発してから
63×4/5 ←速さ一定⇒時間の比=距離の比
=252/5秒後
となります。