西大和学園中学校2024年算数第3問(1)

数の性質 桁ばらし
 3828や5991のように、4桁(けた)のうち2桁の数字が同じで、残りの2桁は相異なる数字でできた「2つかぶりの整数」を考えます。ただし、各位の数字は1から9までとします。
 また、相異なる2桁の数字を入れ替(か)える操作を操作Aとします。たとえば、3828に操作Aをすると2838になります。
(ⅰ)
 3828のように、百の位と一の位が同じ数である「2つかぶりの整数」【ア】を考えます。
 【ア】に操作Aをすると【ア】より小さい数【イ】になり、【ア】と【イ】の差は連続する4つの整数の積で表せる数になりました。【ア】として考えられる最大の数は[あ]です。ただし、連続する4つの整数の積で表せる数とは、5040(=7×8×9×10と、7から10までの連続する4つの整数の積になっている)のような数のことです。
(ⅱ)
 「2つかぶりの整数」【ウ】を考えます。【ウ】に操作Aをすると【ウ】より小さい数【エ】になり、【ウ】と【エ】の差は連続する4つの整数の積で表せる数になりました。【ウ】として考えられる最小の数は[い]です。

(ⅱ)だけ出されたら、算数オリンピックやジュニア算数オリンピックの予選レベルの問題かもしれませんね。
(ⅰ)
従来灘中学校でよく出されていた問題です。
【ア】を□〇△〇(□、〇、△は1以上9以下の異なる整数)とします。
□〇△〇が△〇□〇より大きいことから、□は△より大きくなり、その差は
  (□-△)×1000-(□-△)×10 ←同じ数字の位は考える必要はありませんね。
 =(□-△)×990
 =(□-△)×9×10×11
となります。
□-△は(例えば2-1=)1以上(9-1=)8以下の整数だから、(□-△)×9×10×11が連続する4つの整数の積となるのは、□-△=8のときであり、このとき、□=9、△=1となります。
したがって、最も大きい【ア】は9818となります。 ←〇を9とできないことに注意しましょう。
(ⅱ)
【ウ】の各位のうちどの2つの位が同じ数になるか考えるだけでも、(4×3)/(2×1)=6通りあり、しかも、各場合の作業はそれなりの量があるので、場合分けして考えるのは面倒すぎますね。
そこで、(ⅰ)の作業を一般化して考えます。
4桁の整数に現れた同じ数字を〇、異なる2つの数字を□と△(□>△)とします。
□が△より左の位に現れたものが【ウ】となりますね。
いか、10を◎個かけあわせた数を10と表す(ただし、◎=0、1、2、3で、10=1とします)。
【ウ】の10の位の数が□、10の位の数が△(0≦★<☆≦3)とします。
【ウ】と【エ】の差は
  (□-△)×10-(□-△)×10
 =(□-△)×(10-10) ←分配法則の逆を利用しました。
 =(□-△)×(10☆-★-1)×10 ←分配法則の逆を利用しました。
□-△、10は整数で、10☆-★-1は9が(☆-★)個並ぶ整数だから、その積は9の倍数となります。
連続する4つの整数の積で最小の9の倍数は3×4×5×6=360となります。 ←9の倍数が含まれない場合、3の倍数が2個必要になりますね。
360=4×9×10だから、★=1、☆=2、□-△=4とすればいいですね。
結局、【ウ】は千の位と一の位が同じ数で、百の位と十の位が異なる数字となります。
最小の【ウ】は1621となります。 ←千の位に1を使ったことにより、差が4のペアとして最小の5と1が使えなくなることに注意しましょう。
なお、(ⅱ)の前半の作業は中学受験生には若干厳しいので、(ⅰ)の場合の計算と以下のような具体例をいくつか考えて【ウ】と【エ】の差は9の倍数となるよねという感じで押し切るのが現実的かもしれませんね。
 2331と1332の差=2001-1002=999
 3231と3132の差=201-102=99
 3321と3312の差=21-12=9
 2133と1233の差=2100-1200=900
 3213と3123の差=210-120=90

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