洛南高校附属中学校2016年算数第1問(1)

計算問題 計算の工夫 約数の和・個数
 次の計算をしなさい。
 1+1/2+1/4+1/7+1/14+1/28

28の約数の逆数の和を求めればよいことがわかれば、次のように数秒間で解けます。 ←この程度の問題であれば、普通に通分しても解けますが・・・
28=2×2×7だから、
  (1+2+4)×(1+7)/28 ←通分すると、分母が28、分子が28の約数の和となるから、28の約数の和/28を計算すればいいですね。
 =2
となります。
なお、この問題の解法がしっかりマスターできていれば、次のような問題が簡単に解けます。
(問題)ある整数の約数を全部足すと56となり、その整数の約数の逆数を全部足すと2となります。その整数を求めなさい。
(略解)2=56/28より、求める整数は28となります。
(参考1)
一般に、整数☆が
  (○ア個の積)×(□イ個の積)×(△ウ個の積)×・・・
と素因数分解されるとき、☆の約数の個数は
  (ア+1)×(イ+1)×(ウ+1)×・・・
となります。
例えば、28(2×2×7)の約数は、(2+1)×(1+1)=6個となります。
このことを樹形図(のようなもの)と表を用いて確認してみます。
(樹形図)
 2の使用個数 3の使用個数
   0個     0個
          1個
   1個     0個
          1個
   2個     0個
          1個
2の使用個数は、0~2個の(2+1)通りあり、そのそれぞれに対して、7の使用個数が0~1個の(1+1)通りあるから、28の約数は(2+1)×(1+1)=6個となります。
(表)
  洛南高校附属中学校2016年算数第1問(1)(問題)の図
約数は、(2+1)×(1+1)=6個となります。 ←長方形の個数を求めるイメージです。素因数が3種類の場合は、直方体の個数を求めるイメージになります(例えば、360(2×2×2×3×3×5)の約数は、(3+1)×(2+1)×(1+1)=24個となります)。
(参考2)上の表の考え方を利用すると、約数の和を計算することができます。
  洛南高校附属中学校2016年算数第1問(1)(問題)の図
約数の和は、(1+2+4)×(1+7)=56となります。 ←長方形の面積を求めるイメージです。素因数が3種類の場合は、直方体の体積を求めるイメージになります(例えば、360(2×2×2×3×3×5)の約数の和は、(1+2+4+8)×(1+3+9)×(1+5)=1170となります)。
なお、約数の和の公式は分配法則とその逆を利用して確認することもできます。
例えば、28の約数の和で確認すると、
 1+2+4+7+14+28
 =1+2+4+7×1+7×2+7×4 ←九九の逆を利用しました。
 =(1+2+4)+7×(1+2+4) ←分配法則の逆を利用しました。
 =(1+2+4)×(1+7) ←分配法則の逆を利用しました。
となります。

このページの先頭へ